漫画製作日記

私に賭けてみないか?きっと地球を代表する漫画家になるぜ

アシ3日目

2日目の夜は、ほとんど眠れなかった。
身体は元気だけど脳が疲れてるって感じだった。

これはやばい、まずしっかり寝なきゃと目を瞑るんだけど、
遠近法の定規ツールが出てきて、
背景が出てきて、作家の指示がくっきり脳裏に浮かび、

それらをどうしていいのか分からない
自分は何が分かっていないのかすら、分からない
それなのに
締め切りまでに
このコマは任せたから仕上げてね
ということが

脳内の重圧になってしまった。


手段はなんだろう
翌朝、若い連中の集まる中
リーダーに
謝り倒しながら
申し訳ありません、分かりません、教えてくださいと言ったものの

謝るくらいなら仕事でかえしてくれ、
背景の書き方わかるよね?
そのくらいは出来る前提で来てくれないと困るよと言われ、

非力さと申し訳無さと裏腹に、

なぜ、「このレベルでしかないよ、わからないよ」と事前に話したはずなのに、いきなりこんなレベルのものを任せてきたんだ?という疑問も湧き

ひたすら若いスタッフに聞いてみる。
こんなこともわからないのかよおばさんと言われかねない空気の中で

これならわかりますよね?
いえすみません、なにを触れば?

え?じゃあこれならわかりますよね?
う、それもちょっと…どうしたらいいですか?

という応酬で周りの失笑をかった。

ほぼ同時に入った人はうまいうまい!と褒められ一方、なんで入ってきたのこの迷惑な人、という状態。

「でも、これがだめなら、作家なんかとてもじゃないけどなれないよ。」と、話していたのが心に刺さって、

これ、間違ってないか?無理してないか?
ここにいたらこれまでやってきた【家事育児しながら漫画するサキちゃんのペース】が、
色々と崩壊しないか?(すでに崩壊。夫が晩ごはんしてくれたり子供の面倒見てくれたり…)と、悩んでも、

そうか、これで辞めたら作家になれないのか
と思ってしまったから
怖くてやめられない。


でも実際、プロの原稿を初めて見た。
毎日、無料の原画展状態である。

しかもアシへの指示が見れる。

こういう指示だと、こういう風にアシがペンを入れるのか。

在宅でアシをかかえると、
作家はこういう風にやりとりをしているのか。

週刊連載の地獄。(もう何十年も2時間しか寝てないのが普通らしい)
たった3日で泡を吹いているけど
たった3日でこんなに勉強できた。

これがプロの現場か。
そりゃ多くの人が漫画家にはなれないわ。
というか、知ってしまったら、
ならない選択するわ。と思う。

一回連載したら辞めますも分かる。

ジャンプの漫画家達はもう、化け物だわ(尊敬の意味で)と言われていた。




私、化け物になれるかな…