嫉妬
現在は新しい漫画のプロットを考えています。
家事をしながら、育児をしながら、
風呂の中も、トイレの中でも、
息をする時はほぼ、漫画の設定を考えています。
こうしたらどうかな。
いや、それじゃだめだ。
じゃあ、こういうのはどうかな。
いやぁそんなの、誰でも思いつくよね。
じゃあ、描きたいシーンから考えよう。どんなのが描きたいっけ。
目を瞑って考える。
うん、かっこいいぞ…そんなシーンは割と浮かぶけど、それらが繋げられない。
どんどん話が壮大になっていってしまう。
読み切りだぞ?
台詞が多い、説明くさいって言われたんやから、もっと削らなきゃいけないのに、それでは端的すぎて、味わいがあんまり無い。
あれは、これは、と何時間も続けてやっていると、非常に疲れてしまい、もう倒れたくなる。
昨日より今日は、必ずよくなるように。
次作は、前作を、絶対越えなきゃ
後退なんか、絶対認めたくない。
だらんとする時間、大変勿体無いので、
手先で絵の練習をするか、
せめて脳だけは動かして何か吸収しようとする。
しかし月曜から月経なので、横になりながら、
せめて眼球に漫画を映して勉強しようとするんだけど、とてつもなく嫉妬してしまった。
講談社のなんか凄い賞やってたらしくて。
Googleがおすすめ記事を出してくる。
もう、いらんって!
見せてこないでよ。見ちゃうじゃん。
あーあ、才能、才能、才能、才能。
センスの塊が、活き活きとのびのびと、
プロの漫画家が漫画を描いている世界の中で、
またさらなるほんの一握りが選ばれましたとさ。
来歴を見ると、
『大学在学中にあれを受賞、二年後も受賞、また受賞で、現在◯◯にて連載中!』
…まだ、それでも20代。
いや、今高校生やりながら、連載してる人もいるんだって。
ああ、もう、本当にすごい人たちなんだ。
大学生の時
あの日、震える足で向かった小学館で、
「親御さんを説得して、東京に来てアシになる。まずそれが出来ないなら、漫画家は難しいですね」って言われて、
「あ…、そうなんですか…」って、
あっさり尻尾を巻いた自分なんか、同じ年齢に落とし込んで比べたって、既に勝てるはずないんだ。
環境にも負けて、病気にも負けて、色んな事に負け続けて、やっぱりだめで、
やっと奮い立たせて、
魂と引き換えに描いてるのに、
「買いたいと思わせる漫画は結局描けない人」にしかなれていないのが、現実だからね。
漫画が描けていればいい?
そんなわけないよ。
たくさんの人に認められたいよ。
たくさんの人に「凄いですね!天才なんじゃないですか」って、言われて、なんか表彰されてさ、
名前が載ってさ、すごい賞金を手にしたら、お金のせいで夢が叶わない人に分けてあげて、感謝されてさ、
自分の作品が載った雑誌を持って、
「全否定した」彼らに、ざまあみろって
見せつけてやりたいんだよ。
「あぁ、そうなんだ。すごいじゃない。小さい頃から、あなたは上手だったもんね」と言ってくれたら…
きっと、やっと、笑顔で死ねるのに